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「これからー…」
体育祭が始まる声がグラウンドに鳴り響く。
雲一つない空に、日差しは容赦なく地面を照らしていた。
これから始まる体育祭に、新山 柚葉はどうしようもない気だるさに襲われていた。
柚葉の頭の中でぐるぐると回っていることはただ1つ。
彼、中川 旬がポツリともらしたことだった。
『別れたんだって。』
『え?』
『だから、あの2人。別れたんだって。』
柚葉は旬が言う『あの2人』が誰を指しているのかすぐにわかった。
遠山 颯太と水川 凛。
旬が所属しているバスケ部のキャプテンと、
バスケ部マネージャー、そしてーーー、旬の長年の片想い相手である。
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