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「とうとう、あたしも17歳かぁ」
「俺は、16歳だけどね」
「俺は、明日で17歳だけどね」
このセリフも、歳は1つずつ増えるだけで、毎年のことだ。そして、この気持ちも。
小学校入学の時は、一人だけ学校に行くのが納得できずに大泣きした。
次の年、ケイとシンが一緒に入学してきて、ズルいとまた泣いた。
あたしとケイは同じ年なのに。
シンはあたしより1歳年下なのに。
お母さんに、なんで産むのを1日我慢しなかったのかと責めたこともある。どう考えても、アホな八つ当たりだ。
けれど、あたしにとって、それほどこの一日が重い。
たった一日…
あたしがケイより早く生まれたばかりに。
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