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それぞれのプレゼントを批評し合いながら、ケーキを食べる。
大体、あーでもない、こーでもないと言い合いを始めるシンとあたしを、ケイが聞き役となって仲裁する。
でも、二人からのプレゼントは、いつもあたしのことを心得ていて…今回も、腕時計が壊れたばかりだし、携帯を買い替えたばかりだし、さすがだ。
「コハル。ありがとね。ちょうどパスケースが欲しかったんだ」
ケイがはにかんだ表情で、あたしにお礼の言葉をかける。
すると、それだけできゅんとする胸の内。
「この時計、すごく気に入ったよ。大切にする」
あたしも笑顔で返す。
「おい!俺のは?」
「もちろん、大切に使わせていただきます!」
4月1日の恒例行事、3人のバースデイパーティー。
いつからだったか、何故かケイが4月2日に自分の誕生日を祝うのを頑なに嫌がり、ケイの誕生日も4月1日に祝うようになった。
その理由は未だ謎のまま。
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