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「ハアー…」
何だか、凄い展開。
机に頬杖をつき目を瞑ると、まだブカブカな学ランを着た中1のセツが蘇る。
そして、忘れ去っていた苦い思い出も。
胸がチクリと痛む。
夕方の校舎。
オレンジ色に染まる教室。
私の少しの油断が、二人の関係を歪ませた。
何度も何度も悔やんでは泣いた。
だけど、どうしようもないことだった。
今なら解る。
あの頃の私達は、まだまだ子どもだった。
だから…
ただ、それだけのこと。
けれど、大人になった今でも、胸の端っこにひっそり残っている小さな凝り。
それを気付かない振りして。
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