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何故なら、母親同士でそう呼び合っているからだ。
母親二人は、中学時代からの親友で、そして、その結婚相手(つまり父親達)も部署は全く違うのだけれど、同じ職場のウマが合う同期同士という奇遇。
そんな気心知れた倉橋家と古賀家の夫婦は、ご近所問題に悩まずに済むよう、隣同士で家まで建てた。
というわけで、当たり前のようにお互いの家を行き来する仲で、倉橋家の長女であるあたし、倉橋小春(クラハシコハル)と、古賀家のご子息、古賀恵太郎(コガケイタロウ)と慎太郎(シンタロウ)は兄弟同然に育ったのだ。
「あれ?小春、ケーキ取ってきた?」
「…自分で取りに行くなんて、侘しいでしょ」
あたしは口を尖らせ、母を一瞥する。
「フフ…俺が取ってきたよ」
「あら、ありがと。恵ちゃん。悪いわねぇ」
ケイが手に持っていたケーキ屋さんの袋を持ち上げると、母は手を合わせてお礼を言った。
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