プロローグ

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あることをきっかけに、世界は二つに別れた。 エヴォルとノーマルという人種に。 エヴォルが表舞台に現れたのは、今から二百年ほど前になる。 エヴォルとは、進化した人類のことを言う。 『人類は止まること無き進化を続けねばならない』 この言葉は、全世界にエヴォルの名を轟かせた男が言った言葉だ。 そして、この言葉の中にある『進化』(Evolution)を取って、エヴォル(Evol)と呼ばれるようになった。 エヴォルになった人間は、見た目では判断しにくい。 だが、エヴォルには最大の特徴がある。 それは化学では証明できない不可思議な力。 特殊能力だ。 エヴォルになった人間は、大なり小なりこの特殊能力を持っている。 それゆえなのか、エヴォルの出産成功率はノーマルよりかなり低い。 実に三十%以下と聞く。 何故、エヴォルが現れたのかは謎だが、あの男はこう言った。 『人数は少なかったが、我々は人類が生まれた時からいた。 ノーマルの上位種としてな』 私達が気付いていなかっただけで、 彼等はずっと私達の隣にいたのだ。 人類の上位種として。 エヴォルが全世界に認知された頃、彼等は自分達の国を作り始めた。 まず、アメリカの大統領がエヴォルになり、アメリカはエヴォルだけの国を目指すようになった。 それに呼応するように多くの国のトップがエヴォルになり、アメリカと同じ目標を掲げ始めた。
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