プロローグ

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ただ、それをよく思わない人達がいた。 それは、ノーマルと呼ばれるようになってしまった旧人類だ。 エヴォルの人工が増えたとはいえ、ノーマル方が多い。 現在の地球の人工は、約七二億人と言われている。 その中の一割、約七億二千万人がエヴォルと言うことになる。 少しずつだが、身近に感じ始めたエヴォルと言う存在に、心を許す人は多くなかった。 ある国はエヴォルを迫害し、ある国は共存を望んだ。 そして誰もが納得することなく、年月だけがズルズルと進んでいった。 だが、いまから五年前、ノーマルはエヴォルに対し唐突に武力攻撃を開始した。 人は才ある者を恐れ、憎み、そして憧れる。 武力攻撃をする理由は、大きなものから小さなものまで、数えきれないほどある。 ノーマルはエヴォル統一諸国に向けてミサイル攻撃を行い、多くの国々が大打撃を受けた。 これが切っ掛けになり、エヴォル撲滅運動もより活発的に活動し始めた。 初めの頃はエヴォルも対話を望んだが、ノーマルはそれを拒み幾度も攻撃を行った。 結果、起こるべくして戦争が開始したのだ。 実際に戦ってみると戦力差は明白だった。 数で勝るノーマルは、重火器を用いて圧倒的な勝利を積み重ねる。 彼等は想像出来なかったのだろう。 特殊能力がある自分達が、個人で劣るノーマルに敗けるわけ無いと。
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