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「突然だけど問題だよ! わたしはどうして君の家に居るのでしょう? 制限時間は三秒だよ、問題言い終わってから数えてね――はい終了、ぶっぶー、タイムオーバーだぁ」
「……いや。勝手に俺の家に上がり込んでおいていきなり問題出したかと思えばルール説明終わると同時にタイムオーバーする問題出してんじゃねぇよ。ちっとは考える時間をくれ。つうか問題のルール説明する前になんで俺の家に不法侵入したのか説明しやがれよ」
「ぶーっ、だけどそんなルールは存在しないのです!」
「ルールじゃなくてマナーってんだよ」
「どちらにせよ! そもそも君の家に来た理由を説明したら問題にならないじゃん?」
「うん? ……ああ、まあそうか――じゃなくてだな。おい、だから、なんで家に来たんだよ。もうそろそろ学校行く時間だ。お前の家って、確か校門前で別れるレベルで真逆じゃなかったか? これは質問だから答えろよ」
「そこに君の家があるからさっ!」
「おお、なるほど……いやに説得力があるように感じるぜ」
「一応良心と心配から言わせてもらうと、わたしの今のセリフに真顔で納得するのは君くらいだと思うので気を付けてね。詐欺とか、何気ない冗談とか」
「あ? 詐欺はわかるけど、冗談に気ィ張ってどうするんだよ。普通に笑って流せばいいだろ」
「……君の場合は真に受けるから言ってるんだけどね」
「なんか言ったか?」
「ううん、別にっ。何はともあれ、冗談は置いといて、最初の問題に戻るよ。どうしてわたしは君の家に居るのでしょうか!?」
「だからそこに俺の家があるからだろ? さっき言ったばかりじゃねぇか。天然ボケにも程があるぞ、お前」
「君だけには言われたくないんだよ……! そしてだから言わんこっちゃないよ、この人!!」
「? ……まあいいけど、だから最初の質問に戻るが、なんで俺の家に来たんだ?」
「あれ? あれあれ? ええー……――あれぇ?」
「何真面目な顔して頭抱えてるんだよ。んで、俺を見て絶望したような顔すんのは止めろ、俺がなんかしたみたいじゃねぇか」
「ううん……? あれ、もしかしてわたしがおかしいの? いやいやそんなことないよね、うん――だって昔っからおかしいのは君だって相場が決まっているもんね!」
「失礼な野郎だな、お前は。いつもズレてんのはお前だろ」
「野郎じゃないもんねー。レディーだもんねー。いっそのことレディースだもーん」
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