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「あ、お前レディースだったのか? だからやけにスカートの裾長いんだな」
「それはスケバン! レディースは女版暴走族だよっ。それにスカートが長いのは校則を守ってるからだし、膝下三センチだからスケバンよろしく長くないよ!」
「ん、そうだったか? まあどっちもあんまり変わらないだろ。生きがいい女ってことは共通してるし。お前にピッタリじゃん?」
「えへへぇ、生きがいいなんてちょっぴりえっちぃ響きだね。なんか照れちゃう……じゃなくて! 根本的に間違ってるよっ。わたしはレディーだしレディース物の服を着てるけどレディースじゃないんだよ!」
「おいおい何言ってんだよ、つい今しがた自分でレディースだって言ったんじゃないか。自分のセリフに責任持てよ。お前はレディースだ、違うか? それとも今の言葉はウソだったのか?」
「うっ……な、何なの、この、優しくほだすようでかつ純粋な瞳は……!? もうわたし、ウソでもレディースだって認めたくなっちゃう!」
「ウソはよくないぞ」
「君が吐かせようとしたんだよ!? お願いだから君こそ自分のセリフに責任持って! そして責任取ってっ!」
「よくわかんねぇから責任は持てないが、取るだけならしてやるよ。で、どう取ればいいんだ?」
「なんだかすっごく適当だぁ……。まあ、もう今さら気にしても仕方ないけどぉ。それじゃあ、そうだねー――一緒に学校、行こ?」
「そんなので責任取ったことになるのか?」
「うん、だってね、元々さ……あのね、わたし、君と一緒に行きたくて来たんだよ……?」
「……?」
「だからっ……! やっと昨日から、恋人同士になれたんだし……そういう関係っぽいこと、したいなぁって」
「うっ――お、おう。それじゃ、まあ、しゃーなしだ、な?」
「う、うん……」
「じゃあ、ほら……行こうぜ。な、何なら手ェ繋いでやってもいいぞ?」
「あ、それは遠慮しとく。恥ずかしいし」
「…………あ、そうですか」
「うん――ってほら、だから真に受けないでよっ。もう、本当に冗談通じないんだからなぁ、君は。……手、繋いでくれるんでしょ?」
「……いや、冷静に考えた結果、やはり学校行くのに手繋ぐのは死ぬほど恥ずかしいから却下だ」
「本当に君、自分のセリフに責任持ってよね!?」
おわり。
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