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「ただいま。」
「おかえり。」
「………紅宮。」
「ん?」
ちゅ。
呼ばれた遼が、靴を脱ごうと屈めた身体から顔を上げると、唇に何か柔らかな物が触れた。紺野の漆黒の瞳が薄く開いた状態で目の前にある。
「…お、おかえり…」
「……………。」
呆然と身体を元の体勢に戻した遼は、無言で少し上にある顎を下げた。その顔は、薄暗い玄関でも分かるほど真っ赤だ。
「…紅宮?」
「…和麻、ただいま。」
「……え?ちょ、なんで顔を近づけ………ん、むー!?」
問答無用で口付けを受ける。すぐさま強引に唇を割られ、舌で蹂躙された。背中が壁に押し付けられる。
「ん、ん…………んぁっ……んむ………ふ………」
最初抵抗していた紺野を、酸欠と快感で徐々に力を抜けるように仕向け、その場でズルズルと座り込ませるまでキスを続ける。この時点で紺野の脳内はほぼ機能しておらず、頭を真っ白にしながら遼のシャツだけは掴んだままだった。
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