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「えっと、それは…そのぉ…」
思わず口に出してしまったことを後悔して慌てて取り繕った。
「当たり前でしょ? 僕らは新撰組だよ、しかも参番隊の隊長となれば、役者並みの有名人だよ」
もう一人の男がそう言う。
「そう! 有名人よ!」
桜はそれに便乗することにして大きくうなずいた。
「そんなことより、何で銃なわけ?」
まだ納得していない斉藤に桜は改めて問う
「別に、刀を使わないわけではない、だが女子相手に必要あるまい? さあ答えてもらおうか、何故? ここいる」
「博士もだけど、本当に人を馬鹿にしないで欲しいわ」
桜がぼそりとつぶやいたとき。
「沖田隊長! 何がッッ!」
桜の背後から声がして、屯所の奥から別の男が出てきた、二人がそちらに気を取られている一瞬の隙に桜は斉藤から離れた。
「なっっ」
「あーあ、君のタイミングが悪いから…」
驚いている斎藤に対して、沖田は何が面白おいのが笑いながら言う。
「どうやら、ただの女子では無いようだな」
気をとり直した斉藤が銃を仕舞うと刀に手をかけた。
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