開いた口が…

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「ちょいい加減降ろしてください!!」 屋敷についてもなかなか桜を降ろそうとしない男のてをつかみながら言った。 「もうちょっとだけ、まってね~」 桜が力いっぱいつかんでいると言うのに男は顔色一つ変えずに桜を抱きかかえたまま移動する。 「……痛く無いんですか??」 手加減なんかしていない、それこそ力いっぱいにつかんでいる普通の男なら悲鳴を上げて手を離すだろう。 「ん? 痛いよ、力強いんだね」 そういいながらも、男は表情を崩さない、手が赤くなってきているから、言っていることはあながち嘘ではないんだろう、 しかしすずしい顔をしているところを見ると、桜の力不足と言うことだろうか? 桜は”欠陥品”この三文字が頭をよぎって、腕をつかむ力が弱くなる。 「長尾そろそろ下ろしてやってはどうだ?」 ”たけだ”が言う 「長尾??」 まさかと言う考えが桜の頭をよぎった、桜の専攻は江戸だがだからといって他の時代を知らないわけではない。 しかも、”たけだ”に”みつなり”そして”ながお”だ。 「いやいや、そんなはずは無い!!」 桜は激しく首をふった。 「???」 そんな桜を”ながお”は不思議そうに見ながらも畳みの上に降ろした。
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