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「……」
「おい、なんとか言えよ」
確かに自分はユミルの末裔だ。
隠す必要もない。
しかしだからといって初対面の人間にペラペラと話すことでもない。
「ごめん。ぼくちょっと急いでるんで」
柄でもない口調で謝意を述べ、ぺこりと頭をさげるユミル。
ユミルの末裔ではあるものの、自分は魔法を使えないどころか魔力もない。
特徴だけがユミルの血筋を引いてるだけであって後は"ある事件"のせいでテンでダメダメだ。
ここはなんとかうまくやり過ごしたい。
初日から厄介なことに巻き込まれるのは――
「我、命ず」
どうやら避けられそうにもない。
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