第一章

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まるで鎖のように僕を過去に縛りつけ、思い出すたびに憂鬱にさせる。 柯菜は「鎖みたいなメランコリーね」と言っていたが、まさにその通りだ。 だが過去とはそんな物だと僕は思う。 息子を失った親は、写真や部屋を見るだけで子を思い出すだろう。 思い出が多ければ多いほど、その哀しみは比例する。 過去は文字通り過ぎ去った時間だが、確かにあった時間なのだ。 哀しいのは、それほど大切な時間だったからだ。 忘れたくても、忘れられるはずがない。 棄てることなど、出来る訳がない。 もし棄てることが出来たなら、僕は薄情者なのだろう。 このどうしようもない矛盾。 だから僕は全てを受け入れ、この能力と共に平穏に生きることを選択した。
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