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ここは街外れにある廃墟。
確か昔は市の体育館だったらしいが、数年前に欠陥工事が発覚。
使用不可能となった。
市民からは早急な撤去を要求されたらしいが、市は大きな体育館を解体、撤去するには費用がかかるとして、話を先伸ばしにしているらしい。
今では完全な廃墟となり、ここに来るのは柄の悪い不良ぐらいなもの。
ここからでも体育館の屋根が見えたが、台風や嵐のせいか傷み、幽霊でも出そうな雰囲気だ。
少なくとも一般人には縁のない場所だろう。
つまりここでは何をしようと、表に発覚する危険性が低い。
「じゃあ、いこっか」
柯菜はとことこと廃墟に向かっていく。
機嫌がいいのか、足取りが軽い。
今にもスキップをしそうだ。
サンタクロースを待つ子供のように、眼が輝いている。
これから何が起こるのか。
詳しい話は聞いてないにせよ、物騒なことになるのは間違いないだろう。
僕はああ、と返事をし、柯菜の後を追った。
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