第一章

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中に入ると、そこはまるで異世界だった。 ヒビの入っている壁に、埃や落ち葉が散乱し汚れた廊下。 高そうなソファは何かで引き裂かれているし、掲示板には数年前のポスターが、無惨にもボロボロになっている。 さながらホラー映画のセットのようだ。 しかし電気が通っていたのは幸いだった。 ぼんやりと光る電球のおかけで、奥までちゃんと見えている。 だからこそ、この酷い有り様を見ることになるのだが。 物は使っていないとすぐに錆びれるというが、これはまさにその一例だ。 そして更に進んでいくと、体育館のメインホールに出た。 壁にはバスケットボールのゴールが幾つか設置され、床にはバレーボール用のポールを立てる金具がある。 それは僕たちの通う学校の体育館と、何ら変わりのない造りだった。
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