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その中に一人だけ、人がいた。
若い女の人だ。
僕と同じか、1つ年上ぐらいに見える。
腰まで届きそうな茶髪をシュシュでまとめて、ポニーテールにしていた。
Tシャツにジーパンとラフな格好だが、秋では少し寒そうだ。
背はすらりと高く、柯菜の身長ではわざわざ見上げないといけないだろう。
何より美人だ。
その視線に気づいたのか、柯菜が小さな声で聞いてきた。
「悠君。今、何を考えた?」
「美人だなと思った」
「私より?」
「定規で測れば一目瞭然」
少しからかうように言ったら、本気で脛を蹴られた。
痛みで思わず涙目になりそうだ。
柯菜の言っていた「邪魔者」が彼女じゃないことを、心から祈ろう。
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