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女の人の手には今時の若者らしく、スマートフォンが握られていた。
だが僕たちに気づくと、スマホをポケットの中にしまった。
柯菜は笑顔で話しかけた。
「こんばんは、片山さん。来てくれて嬉しいわ」
どうやらこの人は片山さんというらしい。
「初対面だし、自己紹介をするわね。私の名前は柊柯菜。初めまして」
当の片山さんは、何故か驚いたような顔をしている。
何かおかしなことがあったのだろうか?
一体片山さんは何者で、柯菜が何をしようとしているのか解らない僕には、この状況を理解する術がない。
ただ黙って、話の展開を待つしかなかった。
片山さんは尚も信じられないというように、柯菜を見つめていた。
「本当に、柊柯菜なの?」
「ええ。お望みなら、ここで能力を使うけど」
そう言って、柯菜はトートバッグからはさみを取り出す。
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