プロローグ

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実際、シャトリーゼが作るモンブランと限定マロンは、外見の違いがあまり見られない。 包まれた包装紙が豪華になっているとか、載ってる栗の大きさが違うとか、その程度の違いだ。 柯菜は手に持つ小さなフォークで、小さな山を少しずつ崩して口に運ぶ様は、小動物のような愛らしさがある。 僕はそんな様子を時おりコーヒーを飲みながら、じっくりと堪能している。 ああ、癒されるな。 そこでふと、頂上にあった栗は、皿の隅の方へ避けてあったことに気づいた。 柯菜は、ショートのイチゴは最後に食べる派なのか。 長い付き合いだったが、始めて知った事実だ。 僕のほうなど見向きもせず、限定マロンの方だけ凝視しながら、柯菜は言った。 「限定マロンはね。スポンジケーキにも、少しマロンホイップを入れてあるの」 それも知らなかった。
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