プロローグ

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「で、僕を呼び出して一体何の用?まさか本当に、限定マロンを食べにきただけじゃないよね」 僕は本題に入る。 そう、柯菜は一人で地図を作った。 一人でケーキ屋や喫茶店を食べ歩き、味を一人で厳密に評価していた。 そんな柯菜が、放課後にケーキ屋に一人でくることを躊躇う訳がない。 僕は甘い物が好きではあるが、柯菜ほどではない。 だから柯菜は僕を誘うことを「あまり」しない。 地図を一人で描いたのもその為だ。 そしてこの「あまり」というのが常に厄介事をはらんでいるというのは、僕がよく知っている。
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