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茉理愛は、秋仁の双子の弟の十吏(とおり)のひくピアノの曲に合わせて自然に声が出て歌っていた。
「いい声だね。茉理愛さんの歌声と僕のピアノが調和して素敵な音になってるよ。」
「私、さっきまで怒ってたのにピアノの音を聴くと癒されました。それに、十吏さんの優しい音が私の刺々しい感情を消してくれた気がします。」
「茉理愛さん、ありがとう。僕は、茉理愛さんの優しい声に感動させられたよ。君は、とても純粋で温かい心を持ってるんだね?」
ピアノをひくのをやめて十吏は椅子をひき立つと茉理愛の目の前で止まり、笑みを浮かべて茉理愛の顔を覗きこんだ。
「十吏さん近過ぎます。私はただ十吏さんのひくピアノの音が素敵で歌ってしまっただけです。」
「茉理愛さんが恥ずかしがる事なんてないよ。僕は、茉理愛さんの純粋さがこの学園の女の子達には無くてとてもガッカリしてたんだ。これからは、僕の隣で歌って欲しいな?」
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