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茉理愛は、目の前にいる十吏を直視する事が出来ず目を反らして会話をしていた。しかし、そんな茉理愛の可愛い反応を見て微笑する十吏。
「私、歌うの大好きだから十吏さんがピアノをひいてたらまた此処に来ます。」
「分かったよ。茉理さん、これからもよろしく。それと、何か困った事があれば僕に言ってくれるかな?君の力になりたいんだ。」
「はい。」
「秋仁は、茉理愛さんに会えば酷い事言うだろうね。僕が、秋仁から守ってあげるよ?傷付いた心に音楽を聴けば癒される。僕と茉理愛さんを繋ぐのは音楽だからね。」
十吏は、茉理愛を気に入っていた。退屈な毎日から茉理愛が隣で歌っている事で解放されて楽しい毎日になると期待していた。
「音楽の力で癒されそうですね。私、教室に戻ります。」
「登校初日から迷子になってたんじゃないかな?僕が教室まで案内してあげるよ。」
「大丈夫です。この学園の地図がありますから。十吏さんに案内されたなんて知られたら後で何をされるか分かりません。私は、自分の目と足で教室までたどり着いてみせますよ?」
茉理愛は、十吏に笑顔で大丈夫と示した。十吏は、茉理愛の笑顔に驚いていたが彼女の優しさに何も言わず微笑した。
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