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不器用な秋仁は、茉理愛を傷付けてしまった。茉理愛は、屋上に出ると隅で泣いていた。
「また秋仁に泣かされた女が此処で泣いてるのか?煩くて寝れやしないな。」
「すみません。私、事実を言われて悔しくなって…」
「初めて見る顔だな?見た感じは庶民。まさか、理事長とばあさんの約束した孫ってあんたの事か?って事は、あいつの…自己紹介がまだだったな。俺は、理事長の孫の一人で藤條秦一郎(とうじょうしんいちろう)弟は、秋仁。教師に見えないが教師をしている。」
秋仁の兄の秦一郎は、茉理愛がいる所に降りて来た。そして、茉理愛の顔を覗きこみ涙を指で拭った。
「丸々したコブタちゃんは、秋仁好みって訳か?」
「好みならあんな事言いません!兄弟揃って最低です。」
茉理愛は、秦一郎の前から去って行った。入学早々厄日である。
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