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「別に正座はしなくてもいいんだけど……とにかく。アンタに話があるわ」
「うん」
「あたしがアンタらの旅行に同行していいの?」
「河合さんそれは卑怯ですよ。自分から言わない限り、私はお兄ちゃんの口を縫い続けます」
「やめたげてよ」「俺なの!?」
「そのくらいの覚悟がないと、心を賭けるなんてできませんよ? 恋とは、そんなもんなんです」
「え、なに? これって何の流れなの?」
「お兄ちゃんちょっと静かにして。じゃないと私の恋愛の水かけるよ」
「うん黙る。そんで今盛大な下ネタだったね」
「兄としての威厳がないわね」
「私のお兄ちゃんにケチつけるつもりですか? なんなんですかあなた? 偉い人ですか? 神様ですか?」
「アンタが健介を尻に敷いたんでしょうが!」
(……なにがなんだか。わけがわからない)
「そろそろお兄ちゃんが『わけがわからない』的なことを考え始めるころなので、単刀直入に言いますね」
(すげえ。ドンピシャで読まれてた)
「お兄ちゃんだからね」
(どこまで当てるつもりなんだよ……)
「多分あと十回くらいは当てれるよ?」
(勝てる気がしねぇ)
「元より勝とうとするなんて、それは無理って話だよお兄ちゃん?」
(そろそろ兄貴続けられる自信なくなってきた)
「そんな弱気なお兄ちゃんも素敵だよ☆」
「早くしなさいよ! このままじゃあたしいるだけの空気になるでしょうが!」
「ごめんなさい。ついお兄ちゃんとの会話が楽しくって!」
「健介が喋ったようなそぶりはこの十行強で一度もなかったんだけど!?」
「行とか……河合さん何言ってるんです? ついに頭おかしくなりました? プークスクスwwwwww」
「うおぁあああ腹立つぅうううううう! ぶん殴ってやりたい!」
(やめろ河合。喧嘩はよくない!)
「河合さん、お兄ちゃんも喧嘩は望んでません! だからその拳を下ろして!」
「だからコイツ一言もしゃべってないでしょ!」
「私にはわかるんです!」
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