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そして僕と楓はクマに指定された椅子に座らされる。
『自分の椅子は忘れないようにして下さい。間違えてしまうとゲーム上で不利になってしまう場合あるのでご注意を』
これで六角形のテーブルを囲む六つの椅子に全員が揃ったことになる。
席の順番は時計回りで、鉄格子で閉じられた奥の廊下側からバッタ、骸骨、大石、僕、青年、女、そして一周して再びバッタという順番。
僕の丁度正面のバッタと目が会う。彼はニコリと笑った。愛想の良い笑顔なんかでは到底無い。もっと汚く欲に満ちた笑み。
僕は笑顔を返すことなくバッタから視線を外し、テーブルを観察する。するとあることに気が付いた。
「これは…」
六角形テーブルの僕の座る場所の縁は斜め奥下に斜面をえがき、そしてそこには1から7までの数字が書かれた7つのボタンと、親指程のサイズの小さなランプが取り付けられていた。
「久崎さんの場所にも?」
隣に座る楓もテーブルの縁にあるものに気が付いたらしい。しかし六角形の角度のついたテーブルでは僕からは楓のそれを確認することは出来ず、更に覗き見を防止するようにテーブルの縁の各角には遮断板のようなものが付いていた。
僕は楓のテーブルの縁を確認するために椅子を引いて覗き込む。すると彼の場所にも僕のものと全く同じ7つのボタンと1つのランプが取り付けられていた。
『さて、それではプレイヤー全員が揃いましたので只今よりこれから行われるゲームのルール説明をさせていただきます。私は今回このゲームのゲームホストを務めさせていただきます”ベアー”と申します』
ベアーはそう言ってゆっくりとお辞儀をする。
『既に灰島様、猫田様、長沼様、中丸様には順にルール説明をさせていただきましたが、是非復習としてもう一度お聞きいただければ幸いです』
ベアーはそう言うと何処かから一丁の拳銃を取り出した。それは蓮根状の弾倉が引き金を引く度に回転する回転式拳銃、いわゆるリボルバー。それを見た楓の身体が一瞬で硬直するのが分かった。
『今から皆様に行ってもらうゲームは6人で行うロシアンルーレット。この回転式拳銃を使った「多人数ロシアンルーレットゲーム」です』
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