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『以上でこのゲームにおける釈放時間の計算方法、及びルールについての説明は終了です』
僕はもう一度頭の中で、この多人数ロシアンルーレットの釈放時間の計算方法をまとめてみる。
「パス」…テーブルに2時間支払う
「プル(引き金を引く)」
・発砲した場合→装填者に4時間支払う
・発砲しなかった場合→支払いは無し
~テーブルのパス代~
・誰かが発砲した場合
→装填者が全て獲得
・誰も発砲しなかった場合
→引き金を引いたプレイヤーで山分け
・1人だけがパスをし、他の5人全員がプルに成功した場合
→パスをした1人が、他の5人全員に1時間ずつ支払う(パス代が2時間から5時間に)
「まあルールは複雑に見えて、実は単純なものだよ」
事前にルール説明を受けていたバッタのその言葉には余裕というもので満たされていて、ルールを必死に整理するそんな僕らを薄ら笑いを浮かべながら楽しんでいるようであった。
『説明は以上なのですが、最後に二点。大切な注意事項をお話し致します』
ベアーは一呼吸置いてから、その二つの大切な注意事項について話し始める。いずれこのゲームの勝敗を分けることになる、このゲームの核となる説明を。
『多人数ロシアンルーレットというこのゲーム、一見からすると負ければ多くの釈放時間を失ってしまうように見えてしまいますが、実を言いますとこのゲームは、スクランブルゲームでありながら、全員で簡単に、そして確実に大量の釈放時間を稼ぐことが出来るボーナスゲームなのです』
「ボーナスゲーム?」
『このゲームで使用するリボルバーの弾倉は全部で7つ、装填者は7発目に弾を込めることが可能です』
そこまで聞いて僕はようやくその矛盾に気が付いた。
プレイヤーは6人、1人1回ずつ引き金を引いても6発目までの弾倉しか使われない。
装填者は端から7発目の弾倉に弾を込める意味が無いのだ。
『もし装填者が7発目に弾を込め、そして6人のプレイヤー全員が引き金を引き、発砲しなかった場合、 つまり6人全員がプルに成功したならば「パーフェクトプル」の達成となり、ボーナスとして6人全員が釈放時間2時間ずつのボーナスを獲得することがこのゲームでは出来るのです』
釈放時間2時間のボーナス。ゲームは全部で12回、つまりその12回全部で協力しパーフェクトプルを達成できれば、最終的にプレイヤー全員が「24」時間ものボーナスを獲得することが出来る。
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