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考え過ぎだろうか。
「それに”能力を使って”そう言ったところが僕は気になります。あの方法は6番目になり、そして装填者が1発目に装填していないない限りは使えません」
「かなり限定的な条件ですね…」
「もしかしたらバッタさんには、その条件を満たさなくても弾の位置を知る術があるのかもしれません。本番でそれを使う気があったからこそ、能力なんて言葉を使ったのかもしれません…」
全員でパーフェクトプルの達成、僕はそれが今回のゲームで目指すべきところだと考えていた。
しかし、もし弾の位置を装填者で無くとも分かってしまえば、わざわざパーフェクトプルを達成しなくても釈放時間は稼げてしまう。
バッタはこのゲームで釈放時間を奪い合うという最悪の展開を繰り広げるつもりなのだろうか…。
『10分が経過しました。皆様、部屋の外のゲーム会場にお集まり下さい』
答えは出ずに休憩時間は終了した。ベアーの声が部屋の外から聞こえて、僕と楓は煙のような不安に巻かれながら休憩室を後にする。
木製の扉はさっきよりも重たく感じて、あれほどまでに水で潤したはずの喉に、飲み込んだ唾がピリピリと染み込む。
ゆっくりと開く扉、口開く四角から僕たちと同じようにゲーム会場に集まり始まるプレイヤーが見えて、六角形のテーブルのそれぞれ椅子に腰を掛ける。
バッタはどうやら休憩なんてしないで、ずっとそこに居たらしく、ゲームが始まるその時を楽しみに待っていたような余裕な笑みを浮かべていた。
『では皆様揃いましたので、只今より多人数ロシアンルーレットを始めたいと思います』
ベアーは全員が席に着いたのを確認して、そう言うと、手元の端末を操作し始める。
「久崎さん…絶対に勝ちましょう。ここから出る為に、そして久崎さんの記憶の為に」
横に座った楓は僕にだけ聞こえるようにそう言って、僕は静かに力強く頷いた。
『それでは第1回目の装填者が決定しました。皆様お手元のランプをご確認ください』
楓の言う通り、ここで釈放時間を0になんか出来やしない。僕は信じる。楓のことを、楓が信じてくれた僕のことを。あまりに根拠なんて空っぽでも、僕にはそれで十分だった。
7発の弾倉、6人のプレイヤー、リボルバー。バッタと骸骨と女と青年と僕と楓。そして多人数ロシアンルーレットは始まった。
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