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男の人は黒地に白いラインが入ったジャージを着ていた。
これからジョギングにでも行くのかもしれない。
でもスポーツマンにしてはなんか雰囲気がやつれてるような……
あたしは膝から猫を下ろすとベランダの柵の上に降りて、そこから街灯の上に飛び移った。
大きな着地音を聞いてこっちを向いた男の人はギョッとした顔をしていた。
「おはようございまーす。ジョギングですか?」
男の人はあたしの顔を見ながら目をぱちくりさせていた。状況がよくわかってないっぽい。
こうして正面から顔見るとそこそこのイケメンだった。やつれた雰囲気のせいでもったいないことになってるけど。
「な……なんだお前」
やっとのことでそれだけ絞り出した感じだった。
「えーと、今流行りの落下系ヒロインです?」
「何故疑問系なんだ」
即興だからです。
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