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ここは天の国
通称、天国。
天国を一言で表すなら、自由
天使の羽が生えた死後の人間や神の使いとして働いている天使などが、楽しそうにあちらこちらを飛び回っている。
たった一人の天使を覗いて。
彼女の名前はアンジュといった。
アンジュの羽は天国にいるみんなと同じような、きれいな純白のふわふわした羽なんかじゃなく、悪魔の羽だったのだ。
天使達からは気味悪がられ、家族なんかもいない。
アンジュはまだ二歳の頃、両親を亡くしていたのだった。
両親がどんな人だったのか、どんな顔なのか。幼かったアンジュが覚えているわけがない。
(私は、このさきもずっとひとりぼっちなのかな。嬉しいことも悲しいことも、一人で味わうのかな)
いつの間にかアンジュの頬に一筋のしずくが落ちていた。
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