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”部活終わったなう~。疲れたぁ(-_-;)”
「ツイートっと!!あ、空キレー!」
その日の東京の街並みは、いつもの数倍綺麗に見えた。
持ってたトートバックをあさり、一眼レフを目の前にかまえた。
真っ赤に光る東京タワーにピントを合わせると
私の胸はドキドキと音を立てて鳴っている。
その高鳴る胸の音に合わせてそっとシャッターを押した。
カシャッ
車のエンジン音の鳴り響く歩道橋に一眼レフの軽やかな音が響く。
その音はなぜかいつもより綺麗な音に聞こえた。
その時、携帯のバイブ音が私の胸の高鳴りを遮るように鳴った。
「メール?誰かなぁ。なんだTwitterか。」
特に用事でもないメールを見てそんなメールに気持いい瞬間を遮られた私は
少しショックを受けた後、本文を確認した。
「”部活お疲れ様”かぁ。優しいフォロワーさんだなぁ♪」
こんな優しいフォロワーさんもいるんだなぁ。
嬉しいなぁ。
私の頬が意識もしないのに緩む。
緩まないように頬に体中の力をいれる。
にやけたら変だもん!私おかしい人間じゃん(笑)
「真琴ぉ~!!なぁにニヤニヤしてるのぉ?」
「うわぁ?!唯李(ゆいり)?!」
いきなり唯李に肩を掴まれて、死ぬほどびっくりした。
「びっくりしすぎだ!ばぁか。」
「っばかはないでしょ!ばかは!!!…ばかじゃないしさぁ。」
「ふふふ♪」
呆れた。
唯李は、人のことよくばかばかいってくる。
ホントは自分がばかなのに…。
彼女は私の気持ちなどわからないのか、
ぐしゃぐしゃになった本屋の紙袋をニヤニヤしながら私の顔の前に突き出した。
「そうだよ!見てこれ新刊~♪」
「はぁ?また買ったのぉ?BLなんて何が面白いのよぉ…。」
「岡田くんとぉ田中くんがねぇ、ムフフフフ…/////」
「…ダメだコイツ。あ、そーだ!!この写真Twitterのアイコンにしよ!」
BLなど私は全く、うん本当に全く分からないけど、
私にはこれがあるから!
唯李も私が風景の写真好きっての同じようにBLっての好きなのかな?
そう思いながらカメラを夜の空に掲げると、
電柱の光が一眼レフの画面に当たり写真がキラリと光った。
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