約束

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ハァ… ハァ… やっとの思いでバイト先に着くと、店内の時計は既に6時10分をさしていた。 俺は、某コンビニエンスストアで働いている。 客の入りも少なく、忙しくもない店だ。 自転車の鍵を抜き、急いで店内へ入った。 「おはようござ…」 「葛城(かつらぎ)君!また遅刻ー!?」 「山本さん…すいません!今日もコーヒー奢るんで!!」 「寝坊助だなあ…まあいいや、早く着替えて出て来て!」 軽くお辞儀をして、俺は事務室に 入った。 そこには、店長の姿。 自称チャームポイントの眼鏡を掛けていて、小太り。 いや、小太りどころじゃない…メタボだ。 店長は、ずっと監視モニターを見ている。 いつも挨拶してくれるのに…。 「遅れてすいません!!」 しばらくの沈黙が続く。 数秒後、店長が此方をギロリと睨みつけた。 「葛城くん?キミ、ここ1週間は遅刻続きだよねぇ?」 凄い形相だ。 「は、はい!すみません!」 「こないだ30分遅れだよぉ?葛城君?」 「は、はぁ…すみません…」 「困るんだよねぇ。伊藤さんが君とシフト組みたくないって言い出しちゃってさぁあ…?」 「すみません…これからは…あの…気を付けますんで…」 「そー?その言葉信じて良い?…」 何なんだ?さっきから。 いつもの店長じゃない感じ…。 「……はい」 「信じれる訳ないだろ!!」 店長は怒鳴った。 別人のようだ… 遅刻した俺が悪いのは重々承知しているが、こんな店長初めて見た。 「じゃーあ…葛城君」 「は…はい…?」
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