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──俺が無慈悲にも宣言したところから約5分後。
「あー、楽しかった。成果も上々、うん、いい時間だった」
向上した気分で独り言を呟きながら、最後にカルサの左腕へ足を乗せ体重をかけると、嫌な音を立てて身体から外れた。これで両手両足が無くなった為所謂″ダルマ状態″である。
絶叫し続けるあまり声を上げることすら叶わなくなった彼の顔面は涙と血で濡れており、女性を魅了したであろう整った甘い顔立ちの面影は無い。
視線を横に移すと側にいるのはバスティ。姿を魔物に変えた彼はカルサの左腕を喰っている。ただ一心不乱に、涙を流しながら。嫌だ嫌だとひたすら嘆きながら。美味い美味いと歓喜しながら。
一方、バスティを挟んでカルサの反対側に転がっているのはダル。
殆どの皮膚や肉は剥がれてそこから覗く筋肉、骨、その他諸々。全身が赤に染まったギリギリ人型を保ったソレは、今はビクビクと痙攣を起こしている。因みに辺りに散らばっていた肉片は全てバスティの胃の中で消化されていることだろう。
俺としては寝ぼけながら作った薬の効能が″えげつない痒みに襲われる″ということが発見でき、元魔王のアゼルと契約した恩恵の1つである″人間の魔物化″も試せた。
結果、あまりの痒さに魔力強化を施してまで身体を掻き毟り肉片が飛んでいくのを見れたし、強制的に家族を喰らわされ続けて狂う姿も見れたし、逆に身体を引き千切られるように喰われて絶叫する姿も見れたことで大変満足してるのが俺だった。
ただちょっとダルの動きが気持ち悪かったので、適当に異空間から引っ張り出した安物の剣を5本取り出し、上から四肢と腹を突き刺して地面へと固定する。
よし、オーケー。
「あとは、お前だな?ココット・セアルダ」
ここまでの惨劇を目の前で見せつけられていた彼女は、大袈裟に肩を跳ね上げた。
……俺の言葉がまだ聞き取れるだけの理性があるならかなり図太いなコイツ。
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