ユースト

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 思考を巡らせつつも、ココットの影に隠れてガタガタと震えるカルサへ注視する。 「……じゃ、まずお前からだな」  指差しながら軽く殺気を飛ばせば、対象者は大袈裟に肩を跳ね上げた。正気を保てなくなりつつあるのか、涎を垂らし笑っているようにも見える。  そのまま指を上へ動かすと、身体が動きに合わせてゆっくりと宙へ浮く。ココットが必死にしがみ付いていたが抵抗叶わず手から離れる。  大体3メートル程の高さで止めるが、到底手が届く範囲ではない。皆の視線が空中の青年に集まる中、俺は魔法を発動させた。 「んー、とりあえず、圧死でもしとくか?」  刹那、半透明の箱に囲まれるカルサ。身体を浮かせていた魔法は解除すると、崩れ落ちるように箱の底へ倒れ込む。  ずずず、ずずず、と。奇妙な音を立てながら、箱は徐々に縮小を始めた。 「あ、あぁ?何、これ……?え……」  怯えたような小さな声が聞こえたが、その間も勿論縮小は止まらない。目に見えて、という程早くは無いが、確かに箱が小さくなっていく。 「あぁ、カルサ、カルサ!」  母親がこの後の悲劇を想像し、顔を真っ青にしながら自身の震える身体を抱き締めた。 「あーあー。可哀想なカルサ・セアルダ君。あのままだと箱に潰されて死ぬ。肉が潰れ骨が砕けぐちゃぐちゃに潰されて死ぬ。いっそ自分で舌を噛み切って死ぬ方が辛くないだろうが、アイツにその勇気も判断力も無い」  上を眺めながらココットに聞こえるように声を出す。箱の内側から必死に押し戻そうとする動きがあり、どうみても自害する様子は見られない。 「なぁ」  ココットの髪を掴み、強制的に俺の方へと顔を向けさせる。 「お前、自分の指落とせ」
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