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──此処は【ルース王国】にある【魔法学園】の1つ、【バルファラ魔法学園】。
俺──《ハル・ガルナー》も、バルファラ魔法学園の生徒だ。
先月の4月始めに入学したばかりの新入生だが、大分学園生活に慣れて来た頃になる。
……だが、現在進行形で俺達が受けている″授業″という名の悪魔には一向に慣れないままだ。
睡魔が幾度となく俺を襲ったが、必死に耐え忍んでいた。
ハァ……、早く終わんねぇかな……。
心の中で溜め息をつき、窓際の後ろから2番目の微妙な席で、教科担の話を聞き流しながら頬杖をする。
その時、俺の切実なる願いが届いたかの様に、嬉しい音が鼓膜を震わせた。
ゴーン──……ゴーン──……
それは、授業終了を報せる鐘の音だった。
「あら、鳴りましたね。では今日の授業は終わりです。この後、SHRがある予定なので教室で待機していて下さいね」
教科担の女先生は話の途中だったのか、どこか物足りなさそうな表情を浮かべたが、連絡事項を述べた後に教室を後にした。
扉が閉まると同時に、教室内がザワザワとし始める。
俺も授業から解放された直後、両腕を上げて身体を伸ばした。
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