魔武器

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 ユウナの背後にいる男子達は次々に頬を染め、一部は息を荒げるのを尻目に彼女へ問い掛ける。 「そう言うユウナは緊張してんのか?」 「当たり前じゃない。お父様からの圧力があるのよ。【貴族】だからって……」  ああ……成る程ね。  この国は【階級制度】が存在する。  1番下は最も多い【平民】、その上は【貴族】、そして【大貴族】、頂点に君臨するのは【王族】だ。  【平民】を支えるのが【貴族】だから権力はどうしても【貴族】が上なんだが、最近は鼻に掛ける奴が多く、【貴族】は【平民】より強くて当たり前だと思い込む連中が大多数を占めるという。  ユウナの親父も、その考えの1人って訳か……。  ハァ……面倒。つかさ。 「ルヴィ。何か顔怖いんだけど」  眉間に皺を作り黙り込んだルヴィに指摘すると、ハッとしてように目を見開いた。  次の瞬間には罰の悪い表情を浮かべ、「悪い」と素直に謝ったが、俺は彼から視線を逸らさなかった。  コイツ、絶対【貴族】とか【大貴族】が嫌いだよな。  ……ま、″事情″を考えたら仕方の無いことになるんだろうけども。
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