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両の頬を軽く膨らませ、更には唇を不満げに尖らせる美少女は、栗色の髪を肩上まで切り揃えられ、見るものを癒しへと誘いそうな優しい翡翠の垂れ目。
皆からは「小動物みたい」と言われている小柄な少女だ。
「あー、いや、《ライラ》も頑張れよ?」
──《ライラ・フィースター》。それが彼女の名前。
慌てて応援するルヴィだったが、ライラには効果抜群だった。
ぱぁっと顔を輝かせ、まるで子供の様に喜ぶ姿は、教室にいた男子達を萌えにより悶えさせることに成功していたが、なんと言うか……やっぱりルヴィには効果は薄いらしい。
で、もう1人の美少女は。
淡黄色の長い髪を左耳の下で緩いみつあみにして結び、前髪も左右に分けてピンで止めているので、どこか大人っぽい雰囲気を纏わせている。爛々と輝く蒼の瞳は、まるで宝石の″サファイア″の様だと皆は言う。
「ねぇ《サラン》、ライラを落ち着かせてもらえる?」
「うん、そうだね。ちょっとライラ。深呼吸深呼吸」
このメンバーでは《サラン》という愛称で親しまれているが、名前は《サラニチア・グライファン》。
因みに俺が名付け親。名前のサラと、家名のンを取って。
だって長いじゃん。サラニチアって。
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