学園

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「ん~ッ!やっと今日の授業が全部終わったぜ!」  戦闘系科目がある日なら大歓迎だが、生憎今日は皆無だった。  得も言われぬ喜びが、口から意外と大きな声として漏れる。  ……あ、ヤベ。  ″時既に遅し″。まさに俺はそんな状況。 「五月蝿いんだよ」  背後から怒気を含んだ少年の声と、何かが風を切る音が聞こえたかと思えば。 「いてッ!?」  教科書、或いはノートの角で殴られた様な攻撃が、見事に後頭部へ直撃した。  痛む部分を片手で押さえ、僅かばかりの時間だけだが悶える。  地味に痛い……ッ。  俺は犯人に文句をつける為、頭を擦りながら身体ごと後ろに振り向く。  視線の先には眉を顰め、不機嫌げな顔を隠す事なく露わにした少年がいた。  ──《エルヴィス・ハクヤ》だ。 「ルヴィ!痛いだろーが!流石に角は!」 「頭に関しては殴ったら俺が痛いし。かといって教科書でそのまま叩いてもあまり威力が無いから角にした」  淡々と述べていくあたり、彼に反省の色は一切見られない。  ……やっぱり、俺が何を言っても聞き入れてはくれないな。  ルヴィだけに限らず、それは何時もの集団でも同じ様な扱いを受けていた。
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