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男としては情けない姿を晒すと渋々といった様子で許してくれた為、制裁という難を逃れることが出来た。
ここ数ヵ月間で若干、とは言えないレベルに土下座やら謝罪やらが次第に神がかっていくのは、どこか悲しい……。
思わず乾いた笑いが漏れそうになるのを堪えていると、漸く朝礼の終了を報せる鐘が鳴り響いた。
次の瞬間には教室中の空気が更に浮つき、皆待ちわびたかの様に教室を去っていく。
30秒もしない内に教室には、俺達5人だけとなった。
……いやいや、どんだけだよ、オイ。
そんなに?そんなにか?
「皆、凄いわね……。普通は楽しみにしていることだし、当たり前かもね」
「ここまで緊張している私達が可笑しいですかね……」
聞こえた2人の声も、俺と同じく驚きが隠せないらしい。
サランとルヴィはむしろ子供みたいにはしゃぐ彼らを見て引き気味だった。
「あーとりあえず、俺達も行くか?」
「そ、そうだな。早く行った皆を待たせることになる」
微妙な空気が漂ってしまったが、俺は何とか払拭しようと殊更明るい声で呼び掛ける。
そこにルヴィが乗ってくれたお陰で助かりました。
ああいうのは俺の役目。
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