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ゴゴゴ、と擬音が聞こえてきそうな程の圧力が背中越しに伝わる。
「お前ら、静かにしろ!」
怒気を含んだ声が身を震わせたと思えば、出席簿の角が俺の脳天に降り下ろされた。
「いっ……!っ~~」
一言……言わせてもらうとすれば。
予想以上に痛かった。……やべ、無意識に涙が出てきた。
つか、何で俺を殴んの!?俺1番喋ってないだろ!!
「鐘が鳴ったら静かにする!解ったな?」
「すみません」
俺は完全に蚊帳の外らしく、俺を間に挟んで先生と生徒のよくある説教風景が広がる。
シュンとするユウナ達と、やれやれと言いたげな表情のルヴィは、クラスメイトが集まる場所へ合流を果たした。
まぁ……俺を残して。
「……酷っ」
ズキズキと痛む脳天を片手で押さえ、団体に紛れ込んだ背中を見つめながら小さく本音が零れる。
しかし、一応担任は説明する前に俺が輪に入るのを待っていてくれているようで、強烈な視線で促しているのが見てとれた。
……また怒られるのは嫌だし、走るか。
駆け足で集団へ近付き、最後尾で立ち止まる。ルヴィ達4人が並ぶ後ろだ。
俺が混ざったのを確認した担任は溜め息をついた後、漸く説明を始めた。
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