魔武器

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「じゃあ早速説明するぞ。まずは【魔武器】だな。魔武器っつーのは、特別な鉱石に製作者が魔力を込めると、製作者に見合った武器が形作られる。まー、大体は本人が望んだ武器になるがな。……ここまではいいか?」  担任は一通り俺達生徒を見渡しながら、質問は無いか投げ掛ける。  何となく、だが。……面倒だから質問すんな的な雰囲気を纏っているのは気のせいか?  今の説明だけじゃ普通質問あると思う。何で魔力を込めるだけで魔武器が製作出来るのか、とか。  一体その鉱石は何で出来ているのか、何故魔力だけで望む武器の形になるのか……とかな。  ……サランが手を挙げようか悩んでいるのが解る。  右手が上がる、と思えば引っ込む、と思えば上がる、というのを繰り返す。  後ろ姿しか見えていないのに、彼女の表情も容易に想像出来る。  あー、でもなー。サランって結構引っ込み思案なんだよなー……。  ハァ。 「せんせー。グライファンさんが質問があるそうですが」 「え、ちょ、ハル!?いや、私はいいよ」 「グライファンか。お前なら質問は許す」 「……は、はぁ……」  俺ってば優しいなーと思いつつ、サランに気付かせてやる。俺が挙手した瞬間睨まれたのはもう気にしない。  今も差別があったけど、うん、まぁ……慣れた。
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