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人間の″慣れ″って恐ろしいな、とか頭の片隅で嘆きつつも、サランの質問に耳を傾ける。
「……えっと。じゃあ、あの。……何故、魔力を込めるだけで【魔武器】が出来るのですか?
一体その鉱石は何なんですか?
鉱石はどこで発掘されるのですか?
何故魔力だけで望む形になるのですか?
【魔武器】はいつ頃使われるようになったんですか?
誰が使い始めたんですか?
と言うか、誰が【魔武器】の概念を見つけたのですか?
後……」
「待て待て待て、グライファン」
一度口を開いたサランは、淡々と抑揚無く質問を繰り出していく。
あまりの機械的な勢いに、思わず我らが担任は言葉を遮った。
口元が引き攣るのを見て察するに、予想の斜め上を通り過ぎたんだな。
……つか、すげー。
俺が思い浮かべた質問より圧倒的に数が多いし、普通に質問されるより怖い勢いだったし。
「え?まだまだあるのですが……。質問」
ハハ……無自覚だし。
「サラン、諦めろ。また個別で質問しとけ。授業が進まない」
「……エル君が言うなら……」
冷や汗を垂らし、サランが繰り出した質問に対する答えを練る担任を横目で見ながら、ルヴィがやんわりと制止させた。
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