6289人が本棚に入れています
本棚に追加
どこか物足りなげに肩を窄める彼女を余所に、クラスメイト達は驚愕を通り越して呆然状態。
確かにサランは真面目な優等生だが、必要以上に知識を追い求めはしなかった。
本人曰く、「全ての筆記試験で満点をとる為に、教科書を全て覚えることで手一杯」らしいが……。
……意欲の、問題?
「グライファン……。とりあえず、後で個別に【魔武器】関連の本貸すから……。それで今は勘弁な」
苦笑いを浮かべつつも目が死んでる担任の先生は、懇願するような言い方でサランを見つめる。
はぐらかすつもりだ、と俺は直感で感じたが、″【魔武器】関連の本″という単語はサランにとって効果的だった。
嬉しそうに笑みを浮かべ、「はい!」と返事した彼女を見たクラスメイトの男子達は、まるで女神か天使に出会ったかのように目を奪われていた。
気持ちは解る。何か後光が見えそう。
「グライファンさん……美しい……」
「あはは……今日はきっと素晴らしい日になる筈だ……!」
「僕の彼女にならないかな……」
「無理だろ、ハクヤがいるんだぞ?」
「チッ、ハクヤめ……!!」
「ルヴィのバーカ」
「ハール?」
「すみませんっした」
最初のコメントを投稿しよう!