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…………。
男子達の囁きに紛れて言っただけなのに、何で俺だけ……。
ルヴィの馬鹿ーッ!アホーッ!
「ねぇ、エル。コイツがエルを貶してる気がするから制裁してきていいかしら?」
俺が心の中でルヴィに向かって叫ぶと、隣にいたユウナが俺を指差し、俺にとって最悪な発言が耳を掠めた。
てか何?ユウナって超能力者?
″読心術″って訳じゃなく、″気がする″ってさ……。
さっきの言葉もユウナが捉えていたし。
……要するに、ユウナのルヴィへの愛は深いんだろうな。
「おいお前らグライファンが綺麗だからって煩いぞ!【魔武器】いらねぇのか!?」
突然、部屋中に怒鳴り声が響く。
空気を震わすような声も、声が発した意味も、騒がしかったクラスメイトを瞬時に黙らすには十分だった。
一転した俺達の態度に担任は若干引き気味だったが、「あ」と漏らした瞬間には俺とバッチリ目が合った。
「え」
「ガルナーへの制裁は後で頼むな」
「はい、先生!」
「ユウナぁ!?」
最悪だ……。担任に売られた……。
肩を落とし、項垂れる俺を他所に、担任は着々と【魔武器】制作の為に話が進んでいく。
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