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「マジで疲れた……」
ゼェゼェと息が乱れる間に、独り言が小さく漏れる。
ただ、こんな音もルヴィ達にとってはどうでもいいらしく、女3人衆は特に食い入るように魔鉱石を見つめているらしい。
「これが魔鉱石かぁ……」
俺の頭側に彼らはいる為に俺からは姿を窺うことは出来ないが、ユウナの感嘆する声が耳に届く。
……心配をしてくれない不満と怒りはあるが、彼女の意識が魔鉱石にいってくれて助かった……。
「大丈夫?立てる?」
漸く呼吸が元に戻り始めた頃、視界に手が差し伸べられた。
──サランの手だ。
「え、あ、いや。大丈夫。1人で立てる」
「そう……?なら良かった」
慌てて立ち上がり、自分が元気を取り戻した姿を見せると、サランはホッとしたように微笑んでくれた。
……このメンバーで唯一、サランは俺に優しい。
ただ……。いや、まあいいか。
「ちょっとハル。サランを変な目で見ないでください」
「いや見てねぇよ!?」
「見てましたよ。気色悪いです。罰として1番最初に魔武器制作してください」
……何故に?
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