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汚らわしいと言わんばかりの厳しい瞳を向けられ、距離も若干置かれる。
常に俺への態度が1番冷酷なライラだが、この時はより悪い方へ磨きがかかっていた。
理不尽過ぎるし、勝手に魔武器制作の実験台にされるし……。
超逃げたくなる衝動を抑えつつ、あははと笑っておく。
……というか。
さっきからルヴィとユウナの声がしない。
ライラは般若出現中だし、サランは苦笑いを浮かべている。
目線だけを動かして辺りを見渡すと、部屋の隅に座り壁に凭れ掛かって睡眠中のルヴィと、その寝顔を見てにやにやするユウナを発見した。
って、寝てんの?ルヴィ。
もしかしてもう魔武器制作が終わった……とかない、よな?
ルヴィの回りをよく観察する。
すると、ある物体を視界に捉えた。
「……なあ、ライラとサラン……」
「何ですか」
「何?」
「ルヴィの側にあるアレってさ……魔武器だと思う?」
突然の話題変更に怪訝な表情を見せながらも、俺が指差した方向を見やる。
そこには……鍔が銀色、刄は漆黒の色をした″刀″があった。
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