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魔武器は一旦制服の胸ポケットに入れ、俺は3人の製作風景を傍観しているルヴィの隣へ並ぶ。
彼の手元には、勿論魔武器であろう刀が握られている。
……俺としては、これを放っておく訳にはいかないんだよなぁ?
「なぁルヴィ!その刀がお前の魔武器だろ?どんな能力なんだ?」
まじまじと刀を見つめ、興味津々といった声色で尋ねる俺に対し、刀を胸の高さまで持ち上げて峰をなぞるルヴィ。
そのまま呆れた顔で俺を睨む為、静かに一歩後ずさった。
「アホか、手の内曝す訳ねぇだろ。模擬戦もあるっつーのに」
「あ、そうすか……。でも、名は教えてくれたっていいだろ?」
言われてみればそうだよな。……周りの奴らはあまりの喜び様に言いまくってるけど。
それでいいのか。とは近くの会話を聞いて思いながら、真っ当な答えを述べたルヴィにせめてとの思いで訊いてみると、表情は渋々げに、だが声色はどこか嬉しげに答えてくれた。
「……想現」
そうげん……草原……?いや絶対違ぇ。まずアクセントが違う。
「想うに現れるで想現だ」
「あ、成る程ね」
直ぐに納得。……そんで、何となく能力も察した。
それが合ってるなら、ルヴィも魔力の制御外してやったんだな。
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