学園

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 ユウナは魔法学園に入学し、たった1ヶ月の間で幾人もの男子に告白されている。  しかし、様々な告白を全て丁重に断り、ルヴィだけを見ている程……相手であるルヴィも、超絶美形だった。  さらさらの黒髪に、深紅の瞳。常に無表情のクールな美少年でありながら、時折見せる微笑みを間近で見たユウナは一目惚れだったらしい。  一方、腰まで伸ばした枝毛の無さそうな銀髪に、琥珀の瞳。まつ毛も長く、若干吊り目の気の強そうな……いや、実際強いから、気の強い美少女であるユウナ。  美男美女でお似合いだよな、コイツら。  とはいえ……いくらユウナがルヴィが好きでお似合いでも、相手がルヴィなら″恋人同士″になるには遠く辛い道になる。  理由は至極単純だ。 「ん?ユウナ、少し顔が赤いぞ?体調でも悪いのか?」 「な、何でも無いわっ」 「ならいいんだが」  ルヴィが″超鈍感″と言うスキルを持ち合わせているから。  アレは性格の様なモノだから仕方無いのかもしれないが、冷めた視線を送ってしまう。  自分の積極的なアピールに気づいてもらえないユウナも、苛立つ事が偶にあった。
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