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 『情報が集まり次第直ぐ様   連絡させていただきます』  「うん、任せたよ」  『それから、ゆうり様。   今は授業が行われている   時間だと思うんですが…』  「……名前、呼ばないで」   いつも抜けてるくせに   どうしてこうも妙な所で   冴えているんだろう。   まあ、今からしつこく小言   …というより心配をされる   のは面倒臭かったから   そこで一方的に電話を切り   通話を終わらせた。  「……はあ」   こんな人生、自分が望んだ   ものなんかじゃない。   けど、中流の家庭の人が   裕福な家庭を羨んだり、   裕福な家庭の人が、   中流の家庭の人の自由さを   羨んだりするような   無い物ねだりをするつもり   は毛頭ない。   勿論これからも。   自分が望んだものが手に   入らなくたって、使える   "もの"は最大限に、そして   有益に利用すればいい。   それでいいんだから。  「…………っ、」   不意に横を見てみれば、   そこには窓ガラスに映った   皮肉な自分の顔があった。   一般的には、かなり良い方   に分類される顔だと自覚は   しているけれど…、   どうしても僕は自分の顔が   好きにはなれない。   まあ、この顔のおかげで   色々と便利だったことが   何度もあったし、そこまで   悪くは言えないけれど…。   窓ガラスに向かって慣れた   風に飛びっきりの笑顔を   浮かべてみれば、   吐き気がする程に虫酸とか   寒気とかが一気に背筋へと   走っていった。   気持ち悪い。気色が悪い。   気味が悪い。気分が悪い。   そういった悪寒が胸の奥で   渦巻くなか、震える携帯。   一度軽く深呼吸をしてから   通話を始めた。  『遅くなり申し訳ありません   少々手間取りまして…』  「もう謝罪とか言い訳とかは   いいから。早く教えて」  『はい。実は…―――』   それから聞いた話は、   あまりに上手く出来過ぎて   いて、途中で聞くのが嫌に   なりそうになりながらも   最後まで話を聞き続けた。
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