220人が本棚に入れています
本棚に追加
時はあっという間に過ぎた
君を好きになって3年の
月日が経つのも
高校に入学してから卒業
するまでも本当に直ぐで
正直、実感が湧かない。
いつも通りに目を覚ませば
思うんだ。
今日で終わる。
今日から変わる。
君に会えると思いながら
迎えていた朝。
卒業し、離れ離れになり
君の居ない明日を
どう迎えれば良いっ?
それから、いつもとそう
変わらずに学校に向かう。
式中の長ったるい校長やら
何やらの話は苦にならない
斜め前に君が居るから。
言おう。
最後なんだ。
ちゃんと告白しよう。
なんて意を決したものの
式が終わり
鮮やかな色の花に彩られ
華やかになる君が流した
涙に唇が重くなる。
「もう!
ゆーてぃ、泣かないの!」
「うう…だってぇっ/」
「もーっ
不細工な顔しないでよ!」
「ちぃぃぃ…やだよぉっ/」
「うわっ/…も、ちょっとぉ/」
なんて結局は二人して
泣いている姿に微笑んで
しまう。
相変わらず仲、良いな…。
「あ、ゆうり…」
「ふぇ…け、けいと/!」
「泣いてる?」
「…泣いてないっ/!」
これもこれで相変わらず
バカップル。
そんな二人を嬉しそうに
君は見つめた。
俺、知ってるよ。
二人が付き合った時
誰よりも喜んでいたこと。
二人が喧嘩をした時
誰よりも悩んでいたこと。
そんな優しい君が
俺は好きだった。
「そうだ!二人、写真
撮ってあげようかっ?」
「あ…でも、カメラ教室だ」
「俺が取ってくるよ!
二人は喋ってて?」
「ゆーてぃ…ありがとっ/」
そして、君は一人
校舎の中へと入っていく。
直感的に悟る。
今しか無いって…。
最初のコメントを投稿しよう!