ラスボス復活

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    ◆     ◆ 夏―― 暑い陽射しが照り付け強風が吹き荒ぶ何とも過酷そうな土地。 此処は山形県の庄内地方にある田舎町、楯川町。 そこに今日、東京の大都会からとある一組の家族が引っ越して来た。 「さー着いたぞ!今日から此処が我が家だ!!」 「結構大きな家ね。」 「……………そうだね―――……」 両親は中々にハイテンションだが、子供は台詞が棒読みになる程のローテンションだ。 まあ、子供とは言っても彼は中学生なので少年と言った方が良いだろう。 「何だ零慈、やけに元気が無いな。」 「念願の広い一人部屋に住めるんだから。元気出しなさい。」 「いやいやいや…いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやっ!!どう考えてもおかしいだろ!!」 首を激しく横に振り両親に対し抗議する少年。 まあ、それはそうだろう。 田舎に越すと言っても街中ならまだ我慢できる。 しかし―― 「一番近い家まで車で10分とかおかしいだろ!!?おもっくそ山ん中でコンビニどころか隣家すら無い場所に住むことになるなんて思わなかったよ!!」 となればテンションも下がると言うものだ。 おっと、紹介が遅れてしまった。 ツンツン頭で普通よりちょい背が低いつり目の彼の名は、葉霧零慈(はぎりれいじ)。
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